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2017.03.03

MASAKI 観察日記

ニットで CHANGE ? Yes We Can !

Masaki さんの Facebook でもポストされておりましたが。阪急メンズ東京の顧客さま向けイベント、スプリング・ナイトが2月17日に盛大に催され。そこで佐藤繊維のオリジナル・ニット・ブランドである「991(キューキューイチ)」のポップ・アップ販売と、それに合わせ Masaki さんのトークショーも勃発との情報を耳にし。行ってまいりました、わたくし特命書記。慣れない華やかな雰囲気に、ちょっぴりドキドキ。

 

 

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天下の阪急さま、そしてメンズ館。洋服にまつわるウンチクが大好きなオトコども(失礼、敬意を込めてでございます)が集結するイベントとあって、Masaki さんのヘンタイ(これは、ご自身でそう仰っていますので、こう形容することにもはや遠慮はございません)的なニット・トークに、怯むどころか、喰らいついてくる皆さま。いと頼もしや。

 

 

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住む地域によってヒトの髪質が違うのと同じように、当然、羊の毛質も各国で違うだとか。ウールは唯一とも言える天然の機能繊維なのだとか。純粋な素材使いが良しとされてきたヨーロッパ流へのアンチ・テーゼとして、例えば、キャメルとウールを混ぜて、双方の「いいとこ取り」による高次元の新素材を編み出しただとか。オトコども(失礼、以下略)をキュンキュンさせちゃうトピックがてんこ盛り。

 

やがてトークは、こうしたディテール(詳細)から、より大きなお話へと展開し。そして、そのお話の内容というのが、かように Masaki さんに付きまといつつも、意外にも、ワタクシがこれまで読み取り切れていなかったこと。彼が何故にここまで、糸づくり、ニットづくりに身を捧げることができるのか。その根底にあるものを、垣間見せてくれるものとなるのでした。

 

 


 

 

Masaki さん曰く。

 

いわゆる工業と呼ばれるものが興(おこ)る以前。今では当たり前になった均一で滑らかな素材の洋服は、王様しか着ることができなかった。専門の職人が、ときには年単位の時間をかけ、すべて手作業で、それをつくっていた。そんな洋服を、ひとびとも着たいと思った。そして、洋服の工業化が始まる。

 

初めは当然、粗い糸、荒い洋服しかつくれなかった。それが、時代の最高峰の知恵と、最先端の技術、そして、何より肝要な、ファッションへの情熱が注ぎ込まれ。結果、むかしは王様が着ていたような洋服を、今では誰もが着られるようになった。

 

こうした歴史を背負い、ヨーロッパのファッション業界は、自分たちは単なる洋服ではなく「文化」をつくってきたという自負を持って、各々の仕事に取り組んでいる。我々は、ただそれを追いかけるだけで満足して良いのか? いや、それでは、面白くないでしょう。

 

 

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私どもが深く関わるニット。これはカジュアルな装いとされ、公式の場で着用されることはない。いや、ここは敢えて、なかったと、過去形で言ってみたいと思います。アメリカの前大統領、オバマ氏のファースト・レディであるミシェル・オバマさん。彼女は2009年の大統領就任式で、某フレンチ・メゾンの鮮やかなライム・イエローのニット・カーディガンを身に纏い登場しました。

 

当初は、世界最高レベルの公式の場とも言えるイベントで、ニットの、しかもカーディガンを着るなどけしからん! という批判の声もありました。しかし、実はそのニットは、それまで存在しなかった、究極とも言える極細のモヘア糸で編まれたものであり。それまでのモヘア・ニットの常識を覆すような、特別なエレガントさを実現したものであったのです。

 

これは、考えようによっては。アメリカ史上初の黒人大統領の誕生という歴史的な節目に、その衣装を世界中から注目されるミシェル夫人が、ある意味、確信犯的に。装いにおいてさえも、それまでの慣習を打ち破ることを通じて。まさに「変化(チェンジ)」のメッセージを発信しようとしたのではないか。

 

以上の考察は、少し大袈裟に過ぎるかもしれません。しかし、少なくとも、あの日の以前と以後では。人類の歴史において、ニットの存在意義が少なからず変わったことは間違いありません。それは、洋服における「文化」に影響を与え得る出来事であり。そして、その歴史的なニットが生まれる、まさにきっかけとなった「奇跡の糸」とも呼ばれる極細のモヘアは、佐藤繊維が開発したものだったのです …。

 

 


 

 

ごくり。

 

単にユニークな素材をつくる、というのではなく。その先にある洋服の「文化」へのインパクトまでを見越して、目指して、ものづくりをしているのだという。そんな Masaki さんの知られざる想いを聞き。この数年、彼に付きまとう中で、主には「ほえっ!」と感嘆するのだけれども、ときに「何故にそこまで?」と思うこともあったりという。後者のすこし「もやっ」とした領域に、ひとすじの補助線が引かれたような。そんな清々しい思いで、この初春のナイト・イベントを堪能させて頂いたワタクシなのでございました。

 

 

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尚、そんなワタクシの背中のほうでは。田島貴男(Original Love)さんのナマ弾き語りによる『接吻』が艶やかに鳴り渡り。長く〜(ポキポキ)甘い〜(ボキボキ)口づけを交わす〜(グシャっ)てなもんで。そのビートに呼応するように、連れ合いのオトコを放っぽりだして引き寄せられた、お姉さまがたの。その腰の砕ける音が、聞こえたような、聞こえなかったような。いや、確実に聞こえたような … 。

 

オトコはニットにまつわるヘンタイ的トークに、そしてオンナは甘い歌声に。それぞれ酔わされる、素敵なスプリング・ナイトでございました、ということで。

 

 

かように、それぞれの春きたる。
コートを脱いで、ニットで出かけませう!

 

 

 

そうそう / 特命書記 R

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