1. HOME / 
  2. TOPICS / 
  3. MASAKI 観察日記 / 
  4. 「991」試写会によせて

TOPICS新着情報

2016.02.07

MASAKI 観察日記

「991」試写会によせて

さて、晴れてフィレンツェで始動しました(前回の記事をご参照)、佐藤繊維が渾身で打ち出す新ブランド「991(読み:ナインナインティワン / 愛称:キューキューイチ)」。完全なる新ブランドを、世界最高峰のメンズウェア展示会である Pitti Uomo(ピッティ・ウオモ)に出展するという大事(オオゴト)にも関わらず、事前の告知などは全くせず。まずは、ブランドのコンセプトやモノの本質を分かって頂ける世界の一流ストアにて、少しづつ、お取り扱いをして頂ければという姿勢でのスタートとなりました。

 

文字通り世界中から、あまねく一流ブランドが出展し。そして来場するバイヤーらも、世界の一流百貨店やセレクトショップからというこのピッティ・ウオモで、告知ゼロの「991」が、どの程度の反響を得られるのであろうか。出発前から自信満々でした Masaki さんの一方で、正直なところ、いくばくかの不安を拭えぬまま、先発隊から遅れること数日。展示会の中日にフィレンツェに滑り込みました、わたくし特命書記 R 。キャリーケースもそのままに、空港から会場に直行し、まっすぐ目指すは991の展示ブース。息を切らして辿り着いたそこで、わたくしの眼に飛び込んできた光景は如何に!?

 

な …。

 

WP_20160115_14_07_17_Pro

 

なんじゃこりゃあぁ …!?
(大丈夫、流血はしておりません)

 

なんという大盛況。上記、少しでも不安を抱いていたことを、Masaki さんに心のなかで詫びつつ。そして、自らの先見の明の無さを恥じつつ。急いで私もヘルプに回ったのでございました。

 

さて、そんな人だかりの「991」のブース。そこで、わたくしが目にしたのは、ある興味深い現象なのでして。暖簾(のれん)をイメージした門構えに興味を惹かれ、ブースに吸い込まれた、とある日本からのバイヤーさま。自ら接客をする Masaki さん。例のごとく、炸裂する熱いプレゼンテーション。聞き入るバイヤーさま。驚き、称賛、そして漏れる溜息。Masaki さんの大きなカラダに身を潜めつつ、バイヤーさまらを観察していますと。そうした驚きや称賛といったリアクションを経て、最後に彼らから発せられるのは、弾けるような「笑い」なのでありました。

 

WP_20160115_14_02_28_Pro

 

いったいぜんたい、なぜに。
ファッションブランドの展示会で、
「笑い」が起こるというのか?

 


 

カシミアニットと言えば、梳毛(そもう)でエレガントに、というのが世界の高級ニットの常識。しかし、常にそれがベストなのか? いや、私はそうは思わない。カシミアを敢えて紡毛(ぼうもう)にして素材感を引き出す。それこそが「贅沢なカシミアの味わい方」と言うこともできるのではないか。その考えを体現したのが、このカーディガンなんです。

 

おぉ(驚き)…。

 

ローゲージと言えば、その魅力はナチュラル感。であるならば、製法だけでなく、その素材においても、とことんナチュラル感を意識してみる。こちらのナッツのような色や、そしてあちらのダークブラウンの素材。これらは、それぞれマンクスとブラックウェリッシュという、希少な羊からとった毛を「染めずに」そのまま使っています。ウールを「染めずに使う」ということは、そうあることではありません。例えば白いウールは染めていないと思われがちですが、自然界にそんなキレイな白い毛はありません。あれは多大な手間をかけて漂白しているのです。よって衣料品のホワイトは、ある意味、最も人工的につくられた色と言えるかもしれません。

 

一方で、この素材。白髪が混じったり、色ムラがあったりします。しかし、これこそ本当のナチュラルなのではないでしょうか? こうして、リアルにナチュラルな素材を使い、ローゲージの素朴な楽しさを完全に引き出したのが、このミトン(手袋)なんです。限りなく手紡ぎに近い表情を出すため、特別な編み機を使っています。

 

たしかに(称賛)…。

 

究極の原料選び、素材開発。そして、それら素材とアイテムの組み合わせ。そこに、最高の編み立て及び縫製の技術を注ぎ込みました。例えば、このニットジャケットの腕は、カラダの線に沿うようにアングルを変えながら形を作っています。だから、こうして着て(よいしょ)、そして脱いだら(こらしょ)、腕のかたちが残ります(ほらね)。普通のニットジャケットではあり得ない「つくり」です。それに、このミトンの親指の取り付け方を見て下さい。普通は平面的になってしまうところですが、ここをこうつまんで、織機にこう突っ込むことで (中略)それぞれの指に立体的にフィットするようになっています。そうだ、言い忘れたのですが、先ほどのニットジャケットの襟の裏も見て下さい。こちら方向には伸びるが(うにゅ)こちら方向には伸びない(かきっ)。これは(中略)という手法を使ったからで、ニットジャケットの弱点である、背中が「落ちて」しまうことを防いでいます。ちなみに、同じくポケットの付け方も見て下さい。こうして (中略)という方法でつけています。普通、ニットではあり得ないテクニックです。

 

すると。

 

(風船に空気が注入されるときのような)

 

しばしの不気味な沈黙があり。

 

そして、ついには。
「うわぁは」と。

 

(膨らんだ風船が破裂するかのような)

 

もう辛抱たまらん、といった風情の。
いかにも開放的な笑い声が響き渡る。

 

こんなん、めちゃくちゃや。あり得へん。このひと(= Masaki さん)ヘンタイやわ。という種類の笑い。無論、ここで言う「ヘンタイ」というのは、最高の褒め言葉でありますこと、念押しをしておきます。この、普通の展示会では見られない、不思議な光景。弾ける笑い。天丼(同じことを何度も繰り返す)。ノリツッコミ(自分でボケて自分で突っ込む)。モノマネ(声帯模写や形態模写)。世に「笑い」にまつわるテクニックは数あれど。「ものづくり」で笑わせてしまうというのは、これ前代未聞なり。

 


 

日本のハリウッド。いや、違った。
歴史ある紡績の地、山形は寒河江発。

 

Masaki が構想し、最高の技術者らが実現。

 

WP_20160114_22_58_03_Pro

 

世界の洋服好きを、究極の「笑い」に陥れる。
佐藤繊維が放つまさに「ヘンタイ」なブランド。

 

あなたは、笑わずに耐えることができるか?

 

WP_20160114_20_54_22_Pro

 

Masaki からの挑戦状 / 991。
この秋、全世界同時ロードショウ。

 

WP_20160115_01_52_50_Pro

 

じゃなくって、店頭発売開始予定。

 


 

以上、1月のフィレンツェより。

 

佐藤繊維プロダクションの最新作。
その試写会の模様をお伝え致しました。

 

そうそう / 特命書記 R

TOP